クリニックコラム

2011年9月アーカイブ

生活習慣病予防のための食生活
食生活に気をつけましょう

生活習慣病の予防のためには、どのようなことに気をつけて食事をすればよいでしょうか?

1.1日3食規則正しく食べましょう

1日2食では1回に食べる量が多くなりすぎ、糖尿病になりやすくなります。また、間食が増えてカロリーオーバーにつながることも考えられます。

2.適正なカロリーの食事を取りましょう

1日にとる食事カロリーを適正にすることが大切です。カロリーをとりすぎると生活習慣病になりやすくなります。

肥っている人には特に効果的です。血圧が高めの人も、やせるだけで下がる場合があります。

1日に必要なカロリーは年齢・性別・体格・身体活動量などによって異なりますが、標準体重から計算する方法がよく用いられています。

成人が1日に必要なカロリー=標準体重×25~30kcal

標準体重が60kgの人なら、1500~1800kcalとなります。肥り過ぎている人や、活動量が少ない人、高齢者は、少ないほうのカロリーを、活動量が多い人や、若年者は、多いほうのカロリーを基準にします。
標準体重はいろいろな計算方法がありますが、最近よく用いられているのは体格指数(BMI)をもとにした計算方法です。

標準体重=身長(m)×身長(m)×22

(BMIが22の人の寿命が一番長いということから用いられています)
(例:身長160cmの人なら、1.6×1.6×22≒56kg)

炒め物・揚げ物や、マヨネーズ・ドレッシング・バター・クリームなどを使った料理の品数を抑えるとカロリーのとりすぎ防止に効果的です。

3.塩分は控えめにしましょう

日本人の1日の平均塩分摂取量は、11~12gくらいですが、1日6g未満が望ましいと言われています。
塩分は、すべて「塩」からとっているわけではなく、半分は加工食品に含まれる塩分です。みそ・しょうゆ・ソースといった調味料にも含まれています。
加工食品を控えめにして、汁物は1日1杯、漬物は1日1回にしましょう。
レモン・すだちなどの柑橘類や、わさび・唐辛子・しょうがなどを使うと、おいしく減塩できます。
洋食は、和食より塩分が低めなので、脂肪をとりすぎない程度に取り入れると良いでしょう。

4.コレステロールの多い食品は控えましょう

コレステロールは動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になります。
油を使った料理はなるべく控え、脂肪のとりすぎを防ぎましょう。
脂肪には、肉に多い飽和脂肪酸と、魚に多い不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロールを減らします。肉料理より魚料理がおすすめです。

食物繊維、野菜をよくとりましょう

5.食物繊維をよくとりましょう

食物繊維は胆汁酸とくっついて排泄されるため、胆汁酸のもとになるコレステロールも減らします。野菜やきのこ、海藻、こんにゃくを上手に利用しましょう。

6.野菜は毎食とりましょう

野菜は食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源になります。
緑黄色野菜はカロリーが低いため、カロリーのとりすぎも防げます。

7.アルコールやジュースはとりすぎないようにしましょう

アルコールや菓子、ジュースをとりすぎると、中性脂肪を高めます。果物はビタミンの補給のためにも、1日1個はとった方がいいですが、とりすぎると中性脂肪を高めます。

健康で長生きできる食生活を心掛けましょう!

生活習慣病とは

生活習慣病とは

生活習慣病とは、その名のとおり生活習慣(食生活や運動、喫煙、飲酒、など)が原因でかかってしまう病気のことで、代表的なものに高血圧症、脂質異常症、糖尿病などがあります。(昔は成人病と呼ばれていました。)

こういった病気は自覚症状がはっきり現れにくく、気づかないうちに病気が進んでしまい、放っておくと狭心症や心筋梗塞、脳卒中、などの重大な病気を引き起こしてしまいます。また、いくつかの生活習慣病が重なると、心臓病や脳卒中になる危険が一層高くなります。

生活習慣病は、飲みすぎ、食べすぎや偏った食事、喫煙、飲酒、ストレスといった生活の乱れや長い間の生活習慣が原因となるので、予防には、こういった生活習慣の改善が大切です。規則正しい生活を心がけ、自分は大丈夫と過信せずに、いつも生活習慣全般に注意を払いましょう。

あなたの生活習慣をチェックしてみましょう

以下のような生活習慣になっていませんか?

check!

□ 朝食を食べない
□ 魚料理より肉料理が好き
□ 食事をとる時間は決まっていない
□ 夕食をとるのが遅い
□ お酒はほとんど毎日飲む
□ 運動はほとんどしない
□ 階段よりエスカレーターやエレベーターに乗ることが多い
□ タバコがやめられない
□ ついつい夜更かししてしまう

チェックした数が多いほど、生活習慣病の危険性も高くなります。点数の高い人は要注意です。

生活習慣を見直しましょう

点数のあまり高くなかった人も、もう一度、生活習慣を見直してみましょう。

1.バランスのよい食生活をしましょう

塩分が多く味つけが濃い料理、脂っこいものが多く野菜の少ない食事はよくありません。
1日3食、栄養のバランスのよい食事をとるようにしましょう。飲み過ぎや食べ過ぎは生活習慣病の原因になります。夕食が遅くなった場合は量を控える等の工夫をしましょう。

2.適度な運動をしましょう

医師と相談のうえ、適度な運動をしましょう。
毎日の軽い運動は、気分をリラックスさせ、血圧や血糖値、血中脂質濃度を下げたり、HDLコレステロール(動脈硬化を抑えるコレステロール)を増やす効果があります。
まとまった時間がとれない場合には、日常生活でちょっとした工夫をしましょう。

  • エレベーターやエスカレーターを使わずなるべく階段を利用する
  • 車やタクシーはなるべく使わず、電車やバスを利用する。
  • 電車やバスでは座らないようにし、目的地の一つ手前で降りて歩く

3.体重の変化に気を配りましょう

肥満は生活習慣病の原因のひとつです。
肥満度はBMI(Body Mass Index)という指標で判定されます。
あなたのBMIを計算してみましょう。


BMI=体重(kg)÷ 身長(m)2 (例:体重56kg、身長160cmの人なら、56÷(1.6×1.6)≒22)

4.ストレスをためないようにしましょう

ストレスは万病のもとです。睡眠を十分にとり、リラックスした毎日を過ごしましょう。

5.アルコールはほどほどにして、タバコはやめましょう

ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合までが適量の目安です。
喫煙は、HDLコレステロール(動脈硬化を抑えるコレステロール)を減らし、ビタミンCを破壊します。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、動脈硬化を進め、血圧を上げます。

定期健診を活用しましょう

合併症が現れてからでは手遅れです。
自覚症状がなくても定期健診などで、日頃から自分の身体の状態をチェックしましょう。